
ほぼ確実に「行政」にかんするコースがある。以下、代表的な例を取り上げて説明することにする。
中央大学法学部政治学科においては「政治社会コース」「公共行政コース」「国際関係コース」の3コースが設定されている。履修ガイドにはこれらのコースの趣旨についてそれほど明確な説明はなく、公共行政コースについては、政府と行政についてそれぞれを対象としている専門科目をまとめてグループ分けしているという程度である。この学科の特色は選択するコースによって必修科目が異なる点であろう。この点は後述する法政大学法学部政治学科とは異なる。「公共行政コース」を選択すると、2年次に「地方政府論」がまず配置され、3・4年次に「行政学」「財政学」「政策研究」「地域政治論」「比較官僚制」の各科目が置かれている。「比較官僚制」は2単位で、他の科目は4単位である。これらの6科目22単位のうち、12単位が必修であり、なかでも基幹科目である行政学は必ず履修しなければならない。言い換えれば、「公共行政コース」を選択すると、「行政学」が必修で、その他の4つの4単位科目のうち2科目が選択必修ということになろう。どのコースを選択しても、各コースに配置されている専門科目はいずれも2年次以上である。これは1年次において「政治学」「国際学」(各2単位)を学科全学生に対して必修としていることの反映であり、この2科目の履修を前提に各専門科目を履修するということであろう。このようにみると、「公共行政コース」としての特色が明確に現れるのは3年次以上ということになり、問題関心の鮮明な学生にとってはやや物足りないという印象を受けるかもしれない。
法政大学法学部においても、学生の主体的な科目履修をサポートする目的で「ガイドライン型」のコース制度を設置している。これは法律学科・政治学科に共通している。この「ガイドライン型」とは、学生に対して系統的な科目履修を誘導すると同時に、科目選択の自由を必要以上に制約しないという配慮にもとづいている。したがって、コースごとに必修科目もいっさい設定されていない。また、学部としては2年次までにコースを決定することを推奨しているが、3年次以降にコースを決定することも途中でコースを変更することも、さらにはコースと異なる科目履修も認めている。したがって、ここでいうコース制度はむしろ科目履修のための指針ともいうべきものであろう。さて、政治学科には「理論・思想コース」「国際・地域学コース」「都市・行政学コース」「情報・文化コース」の4コースが設置されている。「都市・行政学コース」では、市民の地域・行政への関わりを中心に様々な角度から政策論を展開することを特徴とし、「政治政策論」「行政学」
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